2008年03月01日
育つ歩調
子どもの成長には |
子育てには、早道も効率性も存在しません。それは、毎日子ども自身が実感できる具体的な生活の積み重ねが、成長には必要だからです。無駄を排除して効率的な学習環境を設定したからといって、優れた人間に成長するとは限りません。むしろ逆に、与えられ指示された環境でしか生きられない人間を育ててしまう危険性が高くなるような気がします。 乳幼児期の成長に最も必要なのは、ゆったりとした環境の中で身近な大人のあたたかい眼差しと、一見大人には無駄に思える子どもの活動を十分に保障してあげることです。指示を与えるだけがしつけや教育や子育てだと思わず、ときには子どもの生きる力を信じて待ってあげ、育とうとする意欲と力を支える援助が必要です。 なぜなら、育ちの最終目標は、自ら考え、行動でき、その責任を持つことができる人間になることだと思うからです。子どもには一人ひとり育ちの歩調があります。子どもを育てることは、無理に大人の歩調に合わせることではなく、子どもの歩調に合わせて、いっしょに歩いていくことではないでしょうか。これは、子どもの生きる力を信じているからこそ、できることなのです。 |