私とあなた

 私とあなた

未熟な私と未熟なあなた
相手の存在を鏡にして
はじめて自分の姿に気づく
そして、その心の姿を認め合う
そんな積み重ねを育ち合いといいます

 育ちは、未熟な「私」と未熟な「あなた」の関係からはじまります。親は出産したら、いきなり立派な親になるわけではありません。いくら育児の勉強をしていても同じです。
子どもが少しずつ成長するように、親もまた親として少しずつ成長していきます。
 だから学ぶのは子どもだけではなく、親も子どもから学んでいくことが大切なのです。
子どもは自然そのものだといわれます。親の価値観だけでは理解できない部分が多く存在するからです。そんな子どもを親と同じ価値観を持った人間にしようとしても無理な話です。
なぜなら、人間が自然を征服しようとすれば人間もまた滅びてしまうことと同じだからです。
全ての子どもは自分の意志で人生を歩こうとします。それが自然の姿なのです。
 子どもに健やかな成長を願うのであれば、未熟な「私」という大人と未熟な「あなた」という子どもが、お互いの存在を鏡にして自分の存在に気づき合うことが大切です。そしてその心の姿を認め合い、育ち合うことが必要なのではないでしょうか。