つむぐ

つむぐ

綿を糸より車にかけ、ていねいに繊維を引き出し
よりをかけて糸にすることと
子育ては似ていませんか
 

  人は本来、衣食住のすべてを自給自足する能力を持っていました。それが現代の役割分業社会の中で、専門分野以外はその能力を必要としなくなりました。今はほとんどの人が、ものを作ることから、使う(使わされる?)生活を送っています。
 さらに最近は、携帯やパソコンの普及で、とても便利になり、バーチャルな情報社会が急速に広がってきています。このまま進めば、実体感を持たない無感情な人間を作り出していくような恐ろしさを感じてしかたありません。
 一方、子どもは子宮の中で地球の生命の歴史をたどるように成長していきます。生まれてからも同じです。合理的で早い成長などありません。非常に面倒で手間のかかるのが子育てです。実は、この手間のかかる過程が大切なのです。
 今は、一見合理的で便利な早期教育教材がたくさんありますが、ていねいに糸をつむいでいない布地がすぐに破れるように、それは豊かな人間には育ててくれないような気がします。
 急がず、あわてず、ゆっくり、ていねいに「糸をつむぐ」ように子育てしてみませんか。乳幼児期のていねいな子育てが将来の子どもの幸せの大きさにつながっていくと思います。